評価が4.0よりも、星5と1があり、平均して3.5あたりの映画に名作が多いように感じます。もちろん頭を使わなくて面白いのには星4.0以上のものが多かったりしますが。笑
ナイト・ウォッチャーは題名とあらすじには惹かれませんでしたが、バート・ブロムリー役を演じる、タイ・シェリダンの演技が好きなので見てみました。
アンドレア役のアナ・デ・アルマスも演技派ですしね。
ナイトウォッチャーの感想・考察を書いていきます。(ネタバレがありなので要注意)
目次
ナイト・ウォッチャー(The Night Clerk)のあらすじ
ナイト・ウォッチャーのあらすじは、ホテルで働くバート・ブロムリーが殺人現場を見てしまうのだが、その証拠を警察に突き出さないために、犯人扱いをされていく話です。
バートはアスペルガー症候群のために、とっさの質問に答えることができず、また頭の中を表現するのに言葉をうまく用いることができません。そのために、警察はますますバートを疑っていく。
バートが証拠を持っていることを知り、アンドレアが近づき、証拠を渡してもらおうとするが、アンドレアはバートの純粋さに心が折れそうになる。
ナイト・ウォッチャーの結末、ラストの展開
アンドレアが殴られるところを盗撮で知ったバートは急いで助けに行く。だが、しかしこれもアンドレアとカレンの主人の作戦であり、盗撮をしていることがわかっていたために、わざと殴らせていた。
アンドレアとバートは同じベットで横になり、その日バートは夢を見た。普通に話せて、普通に接することのできる夢。そこではアンドレアと幸せに触れ合っていた。夢から冷めるとアンドレアはいなくなっていた。そして、一緒に見た証拠の動画も無くなっていた。
察するバートは考える。
最後は、バートが証拠の動画が収めてあるmicroSDを渡すことで、警察は犯人である最初に殺されてしまったカレンの主人を捕まえる。(パトカーに追われているから多分捕まる)
晴れてバートは殺人容疑はなくなるが、盗撮の罪で問われるのかは、わからない。
バートは夢の中でアンドレアと約束をした通り普通にデパートを歩き、買い物をしている。
アスペルガー症候群のバートが考えていたこと
アスペルガー症候群は発達障がいの一つですが、知的な遅れではなく、社会性やコミュニケーションに障がいがあるのが特徴です。
例えば、バートは会話がすぐに途切れます。スムーズに会話ができません。相手が言っていることは理解できているのですが、なんと返していいかがわからない。相手が違和感を持っていることも多少わかるが、「どうしてだろう?」と思ってしまいます。
ただし、バート自体はいわゆる一緒に働く者たちの「普通」に憧れてはいて、ホテルにいる者たちを盗撮して、日常生活で繰り広げられる会話を見よう見まねで練習しています。
その目的が本当に劇中で言う通りの「言動を観察して勉強していただけ」なのかはバートしか知る由がありませんね。なぜなら彼のこだわりですから。
バートは言動を観察はしていたが、女性に対しては興味があったはずです。それは23歳の青年ですから、性に興味がないはずがありません。だけど、現実世界では女性と接することが難しい。そのために、映像を見ながら、コミュニケーションを取る相手を想像し、補完していたのかもしれません。
ホテルに訪れて自分が好みだと思った女性は積極的にカメラが多い部屋へ通していたのでしょう。今回写っている女性だけではないかもしれない。そして彼は悪用をする気もなく、盗撮を見て、返事をして、接しているだけで、終わっていたかもしれない。
でもそれが罪ではないとは言い切れない。
障がいを持っている者だから、罪に問われないのか、そこも主題の一つですね。最後の警察のあのやろう、みたいなのは本当にその通り。同情しすぎは彼のためにもよくない。
アンドレアはどこまで味方、敵だったのだろう
面白いのがアンドレアがどこまで味方だったのか、敵だったのか、本当で嘘なのか、が全然わからないことです。
仮に味方だとすれば、発達障がいの弟の話も本当だし、地下室で映像を見せてもらった時の涙も本当、バートが他にも動画を隠し持っていることをわかっていて、油断させるために映像を渡したフリをした。
敵だとすれば、発達障がいの弟の話は嘘であり、バートに近づくために、彼を惑わせる言動をいくつかしたことになります。
どちらに偏っていても、辻褄は合わない気がします。
そしてこの迷いや揺れ、優柔不断なのが、一般人なのではないでしょうか。
バートのように強いこだわりを持っているわけではない人がほとんどです。アンドレアは愛人のために、行動を起こしていたが、常に迷いはあったはずです。だから、バートを傷つけるようなことはできる限りしたくなかったはず。
一方で、バートに対して幸せを願っている身でもあったはず。本当に愛人のことだけを思っていたのであれば、バートが映像を渡し、警察にネタをつかませたのであれば、助手席であんなに余裕ぶってはないはずです。
おやおや、、バートったら。
とね。
自分がしていることが正しいとはっきり言える人はどれだけいるのでしょうか。でも、そうするしかないのです。それが感情だし、恋とか愛とかなんでしょうね。バートはしたいようにした。アンドレアもしたいようにした。だけです。
そこに味方だったのか、敵だったのか、とかは無粋な気がしました。自分で書いておいてなんですけどね。笑
まとめ
ナイト・ウォッチャーはキャストも少なく、テンポもゆったりだった。短編映画としてもっと短くして余白を出してもいい気がしました。
アスペルガー症候群の息子を持つ親の描写なんかは、グッとくるものがありました。
評価サイトでもカリスマ性のあるキャストの割には脚本が微妙と言われているみたいですが、これはこれでいいのでは?とも思います。
劇的ではないけどね。どんでん返しもないし、だからこそ60分くらいでもよかったかもしれない。笑