詐欺師を騙す詐欺師集団のアクションサスペンス映画「スウィンダラーズ」の感想(ネタバレ)です。
実際にあった韓国の巨額の詐欺事件が元ネタのようで、調べてみると、本当にあった話なのか、、、と驚きました。
キャストも豪華で、騙しが多く、えーどこからどこまでが嘘で本当なんだ?と思わされました。
スウィンダラーズのキャスト解説なども交えてつらつらと書いていきます。
ネタバレが苦手な方はお気をつけて!見ている人前提の感想になります。
目次
スウィンダラーズの基本情報、あらすじなど
スウィンダラーズは2017年に公開されたチャン・チャンウォンが監督を務めたサスペンスアクション映画です。日本で公開されたのは翌年の2018年です。
実際に起きたマルチ商法による、高額の詐欺事件が元になっているようです。
マルチ商法のボスであるチャン・ドゥチルの仕事を手伝っていた主人公であるファン・ジソンの父は仕事を手伝ったが、港で殺されてしまう。父が殺されたことを知り、ファン・ジソンはドゥチルを殺すために、計画を立てる。
そこへ詐欺師3人も加わり、当時のチャン・ドゥチルの担当検事であって、パク・ヒスも加わり、5人でチャン・ドゥチルを追い詰めていく。
スウィンダラーズは実話?実際に起きた「チョ・ヒパル事件」
スウィンダラーズの話が明確に同じ話を元にした訳では無いようです。ですが、韓国で実際にあった詐欺事件を題材としているのは確かです。
2004年から2008年前後には、大きな詐欺事件が立て続けに起こっていたようです。
韓国で起きた巨額の詐欺事件で、1兆8000億ウォンの損害を与えたマルチ販売事件である「JU事件」
おそらくスウィンダラーズの元となった、医療機器を大儲けできるからと買わせて約4兆ウォンの損害を与えた「チョ・ヒパル事件」
10ウォンが約1円(ばらつきはあるけど)と考えると、1800億円の損害を与えたわけです
。チョヒパル事件に関しては、4000億円にものぼるわけです。めちゃくちゃ高額ですね。
チョ・ヒパル事件では、自殺した人数も30人以上に登り、中国に笑ってから、チョ・ヨンボクという名前で過ごしていたが、2012年にチョ・ヒパルが死亡したと発表した。だが、死亡が発表された後も、目撃談があり、まだいきているのではないか、と言われているようです。
参考:チョ・ヒパル/KBS
http://world.kbs.co.kr/service/contents_view.htm?lang=j&menu_cate=lifestyle&id=&board_seq=5279&page=16&board_code=searchword
2016年には、同じく韓国の詐欺事件をテーマにした『MASTER/マスター』という映画が公開されています。会長役をイ・ビョンホンが演じているのですが、本当になんでもこなすよね、、この人。
スウィンダラーズと原題の꾼(クン)の意味
スウィンダラーズはswindler(詐欺師)の複数の意味です
原題である꾼(クン)は職業を意味しているそうです
詐欺師は韓国で詐欺君(사기꾼)と言います
〇〇꾼とよく使うと聞きます
それぞれの能力に特化した人たちの集まり、仕事人たちって意味でつけている、らしい
参考:映画『スウィンダラーズ(原題:꾼 クン)』またまた天才詐欺師の物語
スウィンダラーズのキャスト、登場人物の紹介、解説
スウィンダラーズのキャスト、登場人物はみんな濃くてかっこいいです。まるでオーシャンズ11ですが、オーシャンズ11ほど一人一人の能力の高さを表す描写はありません。
淡々と話が進む中で、「え?地味にすごくね?」と思わされるシーンにて、伝わってきます
ファン・ジソン|変装のプロ兼チームのブレイン
今作の主人公です。詐欺師の父を持ち、父を殺した組織の敵討ちを誓います。
父親が死ぬ前は変装もまだまだで、窃盗をした相手に追いかけ回されますが、劇中の8年後には変装のプロになっており、声真似の技術も身につて、実際に一緒に活動していたパク検事にすら気づかれない能力となっています。
スウィンダラーズのブレインであり、リーダー格で、他のメンバーからも信頼されています。
いや、めっちゃかっこいい。
パク・ヒス|超エリート検事
超エリート検事です。
昔から、政治家や検事長など有権者の近くで活動をし、将来を約束されていた人間の一人です。
実は裏で手を汚しまくっていて、私利私欲のためなら犯罪を顔色一つ変えずに行えます。
ファン・ジソンを殺した張本人ではありませんが、息子があげた大事にしている時計を踏みつけた人物ではあります。
賢いのは確かで、想像力も豊かなために、クァクの要望に対してすぐに「テストだ」と気づく頭脳の持ち主ではありますが、長く緻密に練られた計画が故に、気がつくことなく騙されてしまいました。
コ・ソクトン|一流役者で潜入
ほぼ最初から最後まで敵側の人間を演じたコ・ソクトン
実は最初から芝居がうまいことは3人で窃盗した時からわかっていた
演じるのがうまいために、視聴者も巻き込まれ、裏切ったと思っていたが、最初から裏切るも何も、パク検事を追い詰め、チャン・ドゥチルに復讐するのが目的
最初のシーンで自殺をしたジソンの父とはおそらく友達?
チュンジャ|色仕掛けのプロ&スリ
ハニートラップ、色仕掛けで、相手を惑わすプロです。
相手が男性だと、この手の演技に騙されるよね〜
相手が油断をしているすきにスリをするプロでもあります。
今作の映画の紅一点でもあり、かなり美人でスタイル抜群です
お酒にはかなり弱くお酒が入ると、演技ができなくなってしまう。
キャストはナナ、本名イム・ジンアさん
インスタグラムも2022年時点で300万人フォロワー越えのかなりのビックスター。
もともと「AFTERSCHOOL」というアイドルグループで活躍をしていて、日本のファッション誌でも専属モデルをやっていたみたい。
これぞ韓国美人!って感じですよね。
クァク・スンゴン|チャン・ドゥチルの側近
チャン・ドゥチルの側近役ですが、実は何者でもなく、側近のふりをしていただけ
特に他の人と比べたら、コレ!という目立つ能力があるわけではないですが、コソクトンと同様に演技のプロです。
過去の大型詐欺事件で、妻が自殺をしてしまい、復讐するためにチームに参加しています
初期メンバーの一人です
キム課長|テック系のプロ、ハッカー
IT分野のプロで、今回の作戦でもかなり優秀な能力を見せるが、メインでスポットを浴びているわけではない、地味にすごい人。笑
ハッキングをして、カメラに侵入をして車がどこを走っているかを映したり、逆探知をして居場所を特定したりできる
もちろん、演技のプロでもある
スウィンダラーズは序章に過ぎなかった
結末はもちろんスウィンダラーズ側が勝利して、政治家や検事などチャンドゥチルに過去に加担をした奴らに金を用意させ、金だけ奪い、まだチャンドゥチルがいるから、作戦を建ててくれと、ファンジソンが言われているシーンで幕をおろします。
見た人はわかると思いますが、すべてが嘘であり、演技であり、黒幕のチャン・ドゥチルに復讐はできなかったが、間接的に手を下していた、検事と政治家には一旦仕返ししてやろう、とチームを組んで、最初に復讐をしたのが今作でした。
続編はおそらくはないとは思うのですが、スウィンダラーズ自体が序章であり、ラストのシーンが復讐の始まりとなっているんですね。
チャンドゥチルが生きているのは本当なのか
スウィンダラーズを見ていると、どこからが本当の話で、どこからが嘘なんだ?と思う時があります。
チャンドゥチルが生きているのは本当のことでしょう。父を殺したのは俺ではなく、パク検事だと言っています。
まあこの辺は映画なので、エンタメだから!と割り切ってみるべきなのでしょうが、なんでファンジソンが生かされたのかは不明ですね。笑
タイに亡命はしているが、自分の顔を見たものは生かしておきたくはないはずですが、告げ口をした挙句に逃がす?なんてことはあるのだろうか
この話自体も実は空想であり、嘘で噂程度にしか聞いていないのかもしれないです
スウィンダラーズの伏線、全ては父の教えから
ファンジソンの父は「夜霧」という詐欺師でした
ファンジソンは父の教えを小さい頃から聞いていたのでしょう
最後のシーンでは殺すのは簡単だが、何度もあいつらを騙してやりたいと言っています
これも父の教えです
一度目は騙した方が悪いが、二度目は騙された方が悪い
その通りに、何度も騙して何が本当なのかわからなくさせ、相手を混乱させました
他にも父の教えもジソンは守っています
盗品だから通報もできないさ
まだ父が亡くなる前に、時計を盗んでいますが、これは盗品を盗んでいます。盗品だから、通報もできないために、問題がないと言っています。
これを子供のジソンがすぐにできるとは考えづらく、父の教えなんだろうなーてのが想像できます
最後に金がジソンたちに残ったのも、横領・賄賂で受け取った法外なお金なので、パク検事や政治家たちは何をすることもできず、訴えることもできずじまいだったわけです
疑ったから引っかかる、疑いを拭えば確信に変わる
疑ったから引っかかる、パク検事は最初から疑っていました。詐欺師のいうことなんて信じない、と。チャンドゥチルが生きている?と。だから、疑いを拭うための作戦を立てました。
詐欺師だから嘘をついているところを見せて、疑いではなく確信に変えてやった、その裏切り者を手下となっているコソクトンにやらせた、ジソンは敵であり、そのほかは味方であるとまんまと騙されたわけです。
スウィンダラーズ2、続編はあるのか?
最後は続いている風で終わっていますが、、スウィンダラーズ2、続編はあるのでしょうか?
個人的には綺麗に終わっているのでないと思います。
これまでの話は実際にあった詐欺事件をモチーフにして、裏でセコイことをした政治家たちを懲らしめるという話であり、チャンドゥチル(チョ・ヒパル)を懲らしめるというのは実際ではない話ですし、完全オリジナルで続きを書くのかーとなれば、ない気がしています。
連続ドラマで、また最初からスウィンダラーズ風のチョヒパル事件を元にしたドラマはやる気もしますが、綺麗に終わっているので、スウィンダラーズの続編はないと見てます。
現状そう言った話もないです。
まとめ
スウィンダラーズの感想、ネタバレでした。
実話を元にしている他の映画も見たくなりました。韓国では詐欺事件で捕まっても、釈放されるのが5年とかなんですよね。お金の問題で何人も人が死ぬのにも関わらず、巨額を騙した方はすぐに出てこれるってのは不思議ですね。
どちらが正義ではなく、騙しあいに身を置いた人間たちの物語なので、思わずスウィンダラーズと呼ばれるジソン側を味方したくなりますが、巨悪対悪であり、詐欺はしちゃダメですからね。笑
韓国映画面白いな〜、邦画よりめちゃくちゃ好きです!