[残酷で異常]考察|映画自体が2度目のループだったのでは?

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残酷で異常は考察捗るマイナー映画として個人的に有名です。笑

キャストがマイナー映画には割と出ている人だと他のブログや記事で読みまして、分かる人には分かる楽しみがあるんだな、と。

さて、劇中には7734や7735などの数字や、序盤で木をなぜか覚えていたこと、ラストの展開など、一度見ても、ながら見だったら間違いなく理解できない内容となっています。

感想、考察を交えながら、真実へとたどり着けるかはともかく、ご一緒に考えていきましょう。

残酷で異常のあらすじ

トイレの前で心臓マッサージをしている場面から始まり、男(エドガー)は誰かを助けようとしている。

心臓マッサージを受けた女性(メイロン)は死んでしまい、エドガーは謎のループする施設へと誘われる。

そこでは、殺人や自殺をした人が集まる施設であり、出ることはできず、永遠に自分が犯した罪をループさせられるという。

残酷で異常の結末、ラスト

残酷で異常の終わり方は、ドリスの自殺を助けて終わりを迎えます。

エドガーの改心

ドリスは何度も娘の前で自殺をしてしまい、娘が葬式で自分を前にして、自らを責めるのを見て心折られています。何度も何度もループをし、前の前にいる娘たちを前に涙を流しながら、後悔をします。

エドガーは、自分がもしもメイロンを助けてしまうと、殺人の罪を被せてしまうのを恐れていました。このままではメイロンとゴーガンはとんでもない人生になると思い、自分が自殺をすると決めました。

ドリスを止めて自殺

ドリスの改心を感じていたエドガーはジュリアンの自殺を止めて、自らがドリスの自殺をしようとしていたロープで自殺をします。

そして、娘たちの前にいた、実体のないドリスは実体となり、娘たちと触れ合えるようになります。この瞬間、ドリスは施設を脱せることに成功しています。

そして現実、未来

ドリスはメイロンとゴーガンを連れて、自殺をした木へ行き、花を供えています。メイロンは彼からの手紙を読んで、最後の文章が止まっているといい、ドリスが答えをいいます。「重すぎたとしても」と。

自殺をしたエドガーは施設へ

自殺をしたエドガーは皆に省かれつつも、自信を持って施設で過ごしていました。そこへ新人が施設へやってきました。エドガーは元ドリスの席へ座っていて、自分が来た時には冷たくあしらわれ椅子すらももらえませんでしたが、新人へ椅子を渡すのでした。

エドガーの数々の誤解

おさらいですが、エドガーは劇中でほぼ全てと言っていいほどに誤解をしていたのでした。

はじめに施設へ来た時はエドガーは過去を覚えておらず、徐々に過去のループをすることで自らの罪を思い出していきます。

弟とメイロンとの浮気

エドガーは弟とメイロンが浮気をしているのでは?と疑っています。

弟はメイロンと連絡を取っていないのも関わらず、たまたま家に遊びにきたからです。そしてエドガーはメイロンが遊びたがっていて、全ての男性はメイロンを狙っていると思い込んでいます。そのために、事情が重なり合って、弟と浮気をしていると思い込むわけです。

真実は、メイロンが弟に電話で相談をして、心配になった弟がメイロンの元を訪れただけでした。最後の最後まで兄思いであり、兄さんはあなたを愛していると言い切っていたいい弟だったのです。

ゴーガンの喧嘩

ゴーガンが喧嘩をしますが、エドガーはまったく気にかけません。

実はゴーガンが喧嘩で相手を傷つけてしまった理由は「エドガー」にありました。お前のお母さんは少しお金を払えば誰とでも寝るんだというような罵りを受けて息子のゴーガンは怒りました。それでもなお自ら殴りかかったわけではなく、相手から攻めてきたために仕方がなく正当防衛で殴ってしまったことが後からわかります。

ゴーガンの真実を知っていれば、エドガーの話し方、対応も変わったでしょう。

間違ってメイロンを殺めてはいない

最初は記憶がないために、メイロンを間違えてあやめてしまった。思い込んでいますが、実はわかっていて、意図的に首を絞めているのがわかります。

薬を盛られ、弟と浮気をして、自分用の銀行を作り、遊ぼうとしていて、自分を薬で殺そうとしている妻をエドガーは許せませんでした。

エドガーが殺された理由

エドガーがころされてしまった理由は、「束縛」です。

束縛と聞くと、なんだーその程度で?と思うかもしれませんが、極度の束縛です。自分以外の男性とは会わせないし、連絡もとらせない。用意した家へ住んでもらい、二人きりの時間を多く取るために、息子を遠くの国へ飛ばそうとする。などなかなかクレイジーです。

メイロンも萎えつつも耐えていましたが、息子が自分に相談もなしに、違う国へ飛ばされることを知ってしまい、ついに殺してしまおうと思い毒をもってしまったのです。

ドリスの自殺を助けた理由

ドリスの自殺を最後助けた理由はメイロンを思ってだと思います。

決してドリスのためを思って止めたのではありません。たまたまドリスがいて、ドリスを助けてあげたい気持ちがないわけではありませんが、メイロンが殺人犯になってしまうことの方が恐ろしく嫌だったのです。

「残酷で異常」ダサすぎるタイトル名

英語のタイトルは「Cruel and Unusual」ですが、これを日本語訳すると、冷酷かつ非道、残酷で異常とかが出てきます。

直訳せずにつける映画タイトルは数多くありますが、残酷で異常という尋常じゃない残酷なほどのダサいタイトルは、直訳からつけられたようです。

こればっかりは、センスを一切感じられませんね。笑

7734の意味は?

7734の部屋の天井は外へとつながっていますが、これは7734をデジタル表記にして逆さまにすると、「hELL」になる。つまりは「HELL」「hell」地獄へとつながっているという暗喩になるわけです。

あの部屋は地獄である

過去をループする人にとって、一番辛い出来事を見させられる部屋が7734であり、エドガーにとっては「真実」が一番辛かったので、真実を見させられたのでした。

序盤で木を覚えていた理由

序盤から、木がなんども写ります。

この木はドレスが自殺をしようとした場所であり、エドガーが自殺をした場所でもあります。

映画自体がエドガーの自殺から始まっていて、全ては2度目のループをなぞっていた説はありえます。

ラストでエドガーが自殺をしたために、エドガーはループに入ってしまう。自分が行ってしまった罪を何度も見させられる、エドガーにとっては、その罪は妻を殺してしまい、ドレスを助けて、そのドレスの代わりに自殺をした、という出来事です。

なので、エドガーは自殺をした物語を何度も見させられ、この映画自体がエドガーの部屋の中の話であった。

という見方もできるのでした。

まとめ

残酷で異常の感想、考察でした!

7734の暗喩であったり、2度目のループが映画自体なのでは?だったりと、考えさせられる映画でした。

めちゃくちゃに傑作!とは言えるほどに自らが映画評論家ではないために、「おもしろかった」と安直な感想しか言えませんが、また見たくなる映画ではありました!

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