ピエロがお前を嘲笑う(who am I)解説、考察。一番の脆弱性は人間の過去にある

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どうも、ハッキング系ミステリーが大好物の筆者です。

ドイツ映画である、「Who Am I – Kein System ist sicher」日本語タイトルでは「ピエロがお前を嘲笑う(who am I)」をたまたまTSUTAYAにDVDがあったのを見かけ手にとりました。

ハッキングでどんでん返しするんだよ!って言う映画なのですが、この手の映画はめちゃくちゃ好きだから選んじゃいましたね。

どんでん返しクライム映画は複数ありますが、オーシャンズシリーズやグランドイリュージョンシリーズは何度も見他ので、フィッシングで侵入するシーンなんかはオーシャンズ8と全く同じ(犬か猫)だな〜と思いつつ、ラストのどんでん返しはなかなかに爽快でした。

レビューはピンキリで良いものから「駄作だ」とまで言われてるレビューを見かけますが、個人的にはかなり面白かったのでは?と思う所存です。

ピエロがお前を嘲笑うがもっと面白くなるよう、あらすじ、解説をしていきます。

ピエロがお前を嘲笑うのあらすじ

ピエロがお前を嘲笑うのあらすじを簡潔に言うのなら、引きこもりのインキャが実は天才で、犯罪者になっちゃうんだけど、なぜか報われるヒーロー映画です。

リアリティとか求めたらダメな映画です。とにかくありえない、だけど度外視して面白いです。

破壊活動を行うハッカー集団「CLAY(クレイ)」が証人保護を求めて事情を説明するシーンから始まります。

小さい頃から冴えなかったというベンヤミン、同級生であったマリを振り向かせたいがために、大学のサーバーに忍び込み試験解答を盗みます。そこで捕まってしまいますが、社会奉仕活動の罰だけ受けて釈放されます。その時にであったのが「マックス」であり、このマックスとであったことで、事態は悪化していきます。

ピエロがお前を嘲笑うの結末、ラストの展開

ピエロがお前を嘲笑うの結末は、ハッカーはシステムだけではなく、人間をハックする。と言う終わり方でした。

ベンヤミンはハンネを騙しハックして個人情報を改ざん、高飛びをする。ハンネはユーロポールを騙しハックし元の仕事をとり戻すと言うわけです。

船の上で髪を染めたイケイケなベンヤミンと、解離性同一症によって出た人格と思われていたマックス、シュテファン、パウル、あんなやつ会ってないわと一蹴したマリが合流し、別の場所を目指すシーンで終わります。

人は見たいものしか見ない

ベンヤミンが個人情報の改ざんを行なった後、ハンネはベンヤミンを車で送り届けます。そこでベンヤミンが帰ろうとするとハンネが呼び止め、砂糖のトリックを教えて欲しいと言います。砂糖のトリックを教え、知ったたがっかりするだろうとベンヤミンは言いますが、簡単なトリックであることを明かします。

このシーンの時に実はハンネの後ろにクレイのマスクをした男が立っているのが一瞬映ります。まさにこの瞬間、見ている私たちも騙されているよ、と言うオマージュが練りこまれているのです。

最終的にはハンネは違和感に気がつき、騙されている、と気づきますが、これはこれで悪くないと思い、騒がずにMRXを捕まえた手柄で元の役職へ戻ることとなっています。

最大の脆弱性はシステムではなく人間

劇中では脆弱性はシステムではなく、人間にある、といい多くの脆弱性をつき難関を突破していきます。

ドーナツ屋の見栄

最初に出てきたのがドーナツ屋です。マックスがゴミ箱を漁り、箱とレシートを見つけて、ドーナツ屋へ向かいます。男性スタッフを相手に、先ほどカウンターにいた金髪の女性がドーナツの数を間違えていた、と言い張ります。

男性スタッフに店長を出せと言いますが、男性スタッフの態度からして、それなりに上の立場であり店長を出すのも面倒だし、女性スタッフを守ろうとすることから、ドーナツを2つ渡してしまいます。

警備員の優しさ

ユーロポールへの侵入は以前のような簡単なものではなく難関不落の門でした。侵入する方法がなく、ベンヤミン一行はかなり焦っていました。

ベンヤミンは単独でユーロポールへの侵入をはかります。

学生がユーロポール見学をしているのを見かけたベンヤミンは学生のふりをして食堂に財布を落としてきてしまったから中に入れて欲しいと警備員にお願いをします。警備員は絶対に入れることはできないと言いますが、ベンヤミンは中に入れてとお願いするのではなく、「父親に怒られてしまう」とどん底に落とされたふりをします。

男性である警備員は、自分も怒られた経験があるのか、仕方がない2分だけだぞと言い、ベンヤミンを食堂に入れてあげます。

ハンネの過去

ハンネは大学生の頃一度流産をしています。そして、役職を外されてしまい、現在はサイバー犯罪から遠ざかっているとのこと。この2点からベンヤミンたちはハンネにハッキングが行けると計画をします。

おそらくいきていれば、ベンヤミンくらいの年齢だったかもしれませんね。一見優しいただの男の子が、英雄になりたくて無茶をしてしまっただけ、ハンネにはそう見えていたはずです。火遊び程度でこのこの一生をダメにさせたくない、その気持ちが大きく、ベンヤミンに個人情報を改竄させる時間を与えてしまいます。

MRXのエゴ

ハンネに事情を説明しベンヤミンは証人保護を要求します。その代わりに、MRXを捕まえると条件を出します。ベンヤミンは自分がMRXから追いかけられ、写真を撮られてしまったトラップ同様の手を使いMRXの場所を割り出します。

MRXの技術は素晴らしいものです。システムをハッキングし、人間を殺すのも厭わず、権威権力を持っています。それがゆえに、弱点があるとベンヤミンは言います。

MRXの弱点は、その「エゴ」にある。と。偉くなりたい、トップになりたい、目立ちたいMRXの人間の脆弱性をつつき、ベンヤミンがMRXのふりをします。MRXは「俺が本物だ!
」と苛立ち、ベンヤミンがいる場所へ無理やり入ってしまいます。そこで入ってきたMRXのIPを突き止めて逮捕してしまうわけです。

まとめ

ピエロがお前を嘲笑う「Who Am I – Kein System ist sicher」のあらすじと簡単な解説、感想でした。

エンターテイメントとして面白かった!です。現実的ではないってのはそりゃわかりますし、なんでマリ付いてきたの?感はラスト激しくありましたが。笑

紆余曲折あったけど、主人公が幸せになっちゃう!てのが爽快でエンターテイメントの王道をいってて素直に面白かったです。

引用:http://www.phantom-film.com/pierrot-movie/(サムネイル)

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