映画「運び屋」やっと見れました!
イケオジであるクリントイーストウッドが監督、主演を務めた映画ということで、始終かっちょよかったです。
運び屋の感想をネタバレがっつり含めながら、書いていきます。
正直ラストには感動というか、なんとも思わなく、途中経過がよかったな!という印象でした。感情欠如してるのかしら自分。
家族愛っぽいけど、普通にクソな親父の話っていった方がわかりやすく、女性は見ても面白くない映画だと思いましたね。
個人的にはこういうマフィアとか、クズ男の話大好物なので、もっと見たいので、めちゃくちゃ評価は高いです。
目次
映画「運び屋」の評価
スペシャル一般人として、100点中何点かと問われれば、面白さとしては90点越えると思います。
娯楽としての映画評価なら高く、何かを考えさせてくれるとか、感慨深い。といったような内容が評価基準とするのであれば50点未満になるのではないかな?と思います。
事実、Rotten Tomatoesでは、172件の批評家レヴューで支持率は70%、平均点は6.1/10となっていますし、Metacriticでは、37件の批評家レヴューで平均点は58/100となっていて、好意的なレビューの方が全世界で多いです。
もう一度見たいかと問われれば、1年に一度とは言わずもがな、時期をみて数年後にもう一度見たくなるかのようなポップさはあります。
あらすじ動画
運び屋の主な出演者
アール・ストーン(クリント・イーストウッド)、コリン・ベイツ捜査官(ブラッドリー・クーパー)、主任特別捜査官(ローレンス・フィッシュバーン)、トレビノ捜査官(マイケル・ペーニャ)、メアリー(ダイアン・ウィースト)、ラトン(アンディ・ガルシア)、フリオ(イグナシオ・セリッチオ)、ジニー(タイッサ・ファーミガ)、アイリス(アリソン・イーストウッド)
簡単なあらすじ
かつて園芸家として名を馳せたアール・ストーン(クリント・イーストウッド)は、経済的に行き詰まり孤独に暮らしていた。麻薬の運び屋となった彼は、麻薬取締局のコリン・ベイツ(ブラッドリー・クーパー)に追われながらも、家族との壊れた関係を修復しようとするのであった。
引用:wikipedia
もっとわかりやすくいうのであれば、見栄はりおじさんがお金なくなって見栄も張れなくなって、家族にも見放されて、お金稼ぐしかないし、運び屋やったら薬物だったけど、「ま、いっか!」と開き直ってたくさん薬物運びつつも、家族とも仲直りしたい!っていう可愛いおじさんの話です。
運び屋のラストの展開
運び屋のラストの展開は、ボスが裏切られてしまい殺され、若手でブイブイしたいイキリマフィアがボスになり、運び屋アールは徹底管理されます。
結局アールは捕まり、年齢も関係し情状酌量で減刑できたのにも関わらず、全て有罪で情状酌量はいらないと断り、刑務所で花を植えるところで終わります。
さて、では早速感想をつらつらと述べさせていただきます。
運び屋はノンフィクション映画なのか?
映画運び屋の元となったのは、レオ・シャープという元軍人の本当にあった話のようです。
元記事までは目を通していませんが、ニューヨークタイムズのサムドルニックの記事「The Sinaloa Cartel’s 90-Year-Old Drug Mule」に基づいています。
合計1400ポンド以上を運んだそうで、1ポンドは約453.6グラムと考えると450キロ近くを2年に渡り運んだことになります。
取引相手はシナロアカルテルというメキシコの犯罪組織で、麻薬カルテルであり、メキシコ国内最大の犯罪組織です。
シナロアカルテルのwikiを見ても、2010年前後にボスが射殺された内容は書いてありませんし、ボスというのは下部組織であり、ナンバー〇〇??なのかは不明です。
また、麻薬の運び屋を務めた理由が、「デイリリーと同じようにコカインは人々を幸せにする植物だから」と語っています。
https://abc7chicago.com/news/leo-sharp-epitaph-he-was-the-worlds-oldest-drug-mule-/2258369/
レオシャープ被告は2016年に亡くなられています。3年刑務所で過ごし、病気を理由に釈放されたといった内容が記事と出ています。
家族のことは特に書かれていませんので、元の運び屋の記事から着想したフィクションと考えた方がいいでしょう。
なぜ運び屋アールはデイリリーにこだわったのか
https://www.instagram.com/p/CPFbITrrPjg/
デイリリーの花は確かに綺麗ですが、どうしてそこまでアールはデイリリーにこだわったのだろか。
映画では、1日で枯れてしまうから、努力と時間が必要だ、とえがかれています。
本人が惹かれたのか、商売として成功しそうだったのかはわかりません。事実、スポーツファン、記事内ではボクシングファンと書かれていますが、デイリリーファンはかなり熱心であるとのことで、嗜好品としてデイリリーを欲しがる人がいるのであれば、ただの花としてではなくファッションとして通常の価格よりも高値で売れたでしょうし、その才覚があったということはレイシャープ本人の努力の賜物と言えるでしょう。
タタと呼ばれた理由
劇中ではタタと呼ばれていますが、タタとはスペイン語で「おじいさん」を意味する「エル・タタ」からきているようです。
やけに差別描写が目立った
やけに差別描写が目立ったなーと思ったのが、何箇所かありました。
メキシコ人に対してタコスっていうし、道端で困っている黒人に対してニガーというし、下手すれば喧嘩になっても仕方がないんじゃないの?っていう。
ここが味噌で、人当たりの良さを超越して相手を懐柔してしまう人間味がアールにはあったのだ。ということを伝えるための描写だったのだと思います。
普通であれば、相手に対して侮辱とも取られる名称をつけてしまえば、喧嘩に発展するでしょう。ふふと笑いながらグランパ(おじいちゃん)がギャグだよ、ギャグ、と言わんばかりの勢いで声をかけてきたら、イラっとしても、まあ許してやるか、で済むのか?いや済まないだろう。だけども、基本的に自己保身に走らず、守るものも特にない、家族にも見放されているアールは別にいつ死んでもいい、だから「楽しくいこうぜ」がスタンスなわけです。
それでいて、相手は守るもの、誇りがある。別にどちらが良いとか悪いとかではなく、アールの性格をより鮮明に描くための差別描写だったのだろうな。
運び屋を着想として、明らかな美談
序盤で、元奥さんになぜデイリリーが好きだったのか?と問われると、
1日で枯れてしまうために、努力と時間が必要なんだよ
とアールはこたえます。
その答えに対して呆れ顔で、家族も同じよ、と返す元嫁。
序盤はまさに記事に書かれている通りのレイシャープの話だけれど、中盤、後半はレイシャープの記事を基にし着想した「人間味」を描きたかったんだろうなーと。なんていうか、空白を埋めて人間にするのが中盤から後半といいますか。
今ではなかなか想像しづらいですが、戦争を経験した人にとっての価値観は今よりもだいぶ違うはずです。
劇中のアールは、女性、酒、お金、見栄、とまさに人間味しかない人物です。お金も稼いでめっちゃ幸せそう。だけども、後半は家族がいない。だから幸せじゃないよね!っていうどんでん返し。
特段、自分はこういった綺麗事が嫌いではないし、家族や自分のそばにいてくれる人がいる幸せは絶対にある。と思っているのだけれども、ものすごく美談にしたなーという感は否めませんでした。
真実としてレイシャープ本人が家族との時間を大切にしていればよかったと心から悔いているのかは分からないし、運び屋となった理由もわからないけれど、人間味溢れるレイシャープをきっと彼には理由があったのだ。
というドラマを運び屋では描いてくれているのだな、と。
美談ではありますが、映画はそうでなきゃね、と深い頷きが僕の中にはあります。
ここまで運び屋が映画として想像を膨らませ元の記事が素敵な映画になったのには、デイリリーのおかげだと思います。
デイリリーのような綺麗な花を愛した男には何かある
こう直感で感じてしまうのは人間の性かもですね。
総じていい映画でした!(テキトー)