『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』『美しい星』の吉田大八監督のもとに錦戸亮、木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平という豪華キャストが終結したヒューマンミステリー。
原作は「がきデカ」の山上たつひこと「ぼのぼの」いがらしみきおという異色にして日本ギャグマンガ界のレジェンドの合作による異色のヒューマンミステリー。
脚本の香川まさひとは『クヒオ大佐』に続く吉田監督とのコンビ作。名バイプレイヤー深水三章の遺作となっています。
Contents
ストーリー、あらすじ
寂れた漁港の町、魚深市に6人の新規転入者が同時にやってくる。市役所職員の月末一は担当を命じられます。
単純な作業と思いきややってきた6人の新規転入者は転入の際の雰囲気、それぞれの纏う空気が明らかに違います。
上司に6人の新規転入者の素性を訪ねると驚くべきことを聞かされます。それは6人がすべて罪を犯した犯罪者・受刑者であること。彼らは刑期の短縮の代わりに10年の定住を誓わされた面々でした。
この話は刑務所の運営コスト削減と地方都市の人口増加を同時に目指すという国家プロジェクトのテストケースでした。
そしてこの6人の素性はごく限られた人間にしか明かされず、新たな雇用主もその過去を知らせていませんでした。
理髪店で働き始めた福元は自分の素性が露見することを極端に怯えていますが、ちょっとした仕草から店長に素性を知られてしまいます。
ところが店長もかつて服役していた過去を持っていました。介護センターで働き始めた理江子は匂い立つような色っぽさを隠しきれずやがて一の父親と深い仲になっていきます。極度に几帳面な清美は清掃ボランティア活動に参加しますがこだわり過ぎて仕事の足を引っ張りがちです。
クリーニング店で働き始めた大野は客商売には不向きな強面で、漁港で働く杉山は10年もつかどうかと町に来て早々ぼやくほどです。
6人の罪がすべて殺人であったことを知ってより一層、一の気持ちが重くなる一方ですが、唯一運送業に就いた宮腰は人当たりがよく一とも心通わせます。
6人と同じころ一のバンド仲間の文が帰ってきます。文は結婚に失敗したとかいろいろな噂とともに帰ってきました。以前から好意を寄せていた一は文にまたバンドをやらないかと声を掛けます。
バンド仲間の須藤とともに3人はバンド活動を再開します。ギクシャクしながらも街になじんでいく6人。そんな街でははるか昔から伝わる“のろろ祭り”の準備が始まっていました。
見所!新たな視点で描かれる危険な無邪気さ
吉田大八監督作品の登場人物は皆、無邪気で純粋な想いの持ち主ばかり。今作の宮腰もまさにそういう人物といっていいでしょう。
『桐島』の生徒たち、『紙の月』の宮沢りえ、『美しい星』の大杉家の人々もそうです。これと思ってしまうと周りが見えなくなるまで前のめりに挑んでいきます。
それが犯罪行為や人を傷つけるようなことになってしまっても当の本人たちは気が付かないほど暴走します。
周りの人間は信じるのか、疑うのか、見守るのか、非難するのか極端な人間が出現したことでその人間の本性が明らかになります。
これはデビュー作の『クヒオ大佐』から変わらない一貫した吉田大八監督の世界観です。
ただ、今作『羊の木』は視点の持ち主がその突飛な人たちではなく周りのひとというところが全く違います。暴走する人間を俯瞰で見る監督と同じ視線の持ち主で語られる吉田大八ワールド。そこに注目してみるとより深く映画を見ることができるのではないでしょうか?
まとめ
2018年2月3日から各所映画館で見ることができるので、ぜひ劇場へ。
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